院長ブログ

薬を増やす前に見直したい、睡眠。

2026年04月03日 06:36


睡眠時無呼吸症候群と高血圧の関係



―「薬を増やす前に、睡眠を見直す」という新しい視点―


藤沢ソーマクリニック


高血圧は日本人に非常に多い疾患であり、健康診断で指摘される方も少なくありません。多くの場合、生活習慣の改善や降圧薬による治療が行われますが、近年注目されているのが「睡眠」との関係です。特に**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**は、高血圧と密接に関連することが分かってきています。



睡眠時無呼吸症候群とは



睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる、または浅くなる状態を指します。代表的な症状には、いびき、日中の眠気、起床時の頭痛などがありますが、ご自身では気づきにくいことも多いのが特徴です。


この状態では、体内の酸素が一時的に低下し、そのたびに体は「危険」と判断して覚醒反応を起こします。この繰り返しが、身体に大きな負担をかけます。



なぜ高血圧になるのか



睡眠時無呼吸症候群と高血圧の関係には、いくつかの医学的なメカニズムがあります。


まず、無呼吸による低酸素状態が続くと、交感神経(いわゆる緊張状態を作る神経)が活性化します。その結果、血管が収縮し、血圧が上昇します。


さらに、夜間に何度も覚醒が起こることで、本来下がるはずの夜間血圧が下がらなくなります(ノンディッパー型高血圧)。これは心血管リスクを高める要因とされています。


また、ホルモンバランスの乱れや血管内皮機能の低下なども関与し、慢性的な高血圧へとつながっていきます。



降圧薬だけでは改善しないケース



高血圧の治療として降圧薬は非常に重要ですが、睡眠時無呼吸症候群が背景にある場合、薬だけでは十分に血圧がコントロールできないことがあります。


実際に、複数の降圧薬を使用しても血圧が安定しない「治療抵抗性高血圧」の方の中には、睡眠時無呼吸症候群が関与しているケースが一定数存在すると報告されています。


つまり、

「薬を増やしても改善しない高血圧」=「睡眠に原因がある可能性」

という視点が非常に重要です。



「薬を増やす前に、睡眠を確認する」



ここで重要なのが、

「高血圧の薬を増やす前に、睡眠を確認する」

という考え方です。


いびきがある方、日中の眠気が強い方、肥満傾向のある方、朝の血圧が高い方などは、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。


このような場合、まずは睡眠の状態を評価することで、より根本的な治療につながる可能性があります。



検査と治療について



睡眠時無呼吸症候群の検査は、ご自宅で行える簡易検査から始めることが可能です。負担の少ない方法で、睡眠中の呼吸状態や酸素の変化を評価します。


診断された場合には、CPAP(持続陽圧呼吸療法)などの治療が選択されることがあります。この治療により、睡眠中の無呼吸が改善されることで、血圧の改善が期待されるケースもあります。


ただし、治療効果や適応は個人差があるため、医師の診察のもとで適切に判断することが重要です。



まとめ



高血圧は「血圧の問題」として捉えられがちですが、その背景には睡眠という重要な要素が隠れていることがあります。


特に、なかなか血圧が下がらない方や、薬が増えてきている方は、睡眠の質や呼吸状態を見直すことが有効な場合があります。


藤沢ソーマクリニックでは、睡眠と高血圧の関係を踏まえた診療を行っております。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。