骨盤底筋の役割とトレーニング

~ケーゲル体操・骨盤底筋トレーニングチェア・膣レーザー・フェムケアグッズとの比較~

くしゃみや咳での尿漏れ、頻回にトイレに行きたい、年々悪くなる姿勢など、病院へいくほどではないけれど、困っていることってありますよね。大きな原因になっている骨盤底筋の役割とトレーニングについて解説します。

はじめに:骨盤底筋の役割とは

骨盤底筋は、膀胱・子宮・直腸などの臓器を支えるインナーマッスルであり、排尿・排便・性機能にも深く関与します。加齢や妊娠出産による筋力低下は、尿失禁や臓器下垂、骨盤不安定性の原因になります。近年、骨盤底筋トレーニングチェアや膣レーザーなど、最新機器も登場しましたので、効果的なトレーニング方法について解説します。
骨盤底筋トレーニングの基本:ケーゲル体操
ケーゲル体操とは ケーゲル体操は骨盤底筋を意識的に収縮・弛緩させる運動法で、コストもかからず誰でも実践できます。
骨盤底筋トレーニングチェア
電磁刺激によって骨盤底筋に強制的に収縮を起こす、骨盤底筋トレーニングチェア型の機器は、「座るだけ」で効果的なトレーニングを可能にします。メリットとしては、深部筋まで刺激が届く 時間効率が高く、継続しやすいので、自主運動が困難な人にも対応できるという点です。骨盤底筋は筋肉なので、スポーツジムと同様に、継続したトレーニングが有効です。

デメリットとしては、さまざまな機種があり、同じような椅子型でも効果が異なることが分かりにくい点です。浅い刺激を強く与えると、筋肉疲労を起こすこともあるでしょう。また、家庭では導入費が高いと思います。体力のない方、高齢者、運動が苦手な方には向く一方、使用禁忌(ペースメーカー使用、妊娠中など)があるので、利用する場合は確認すべきです。
膣レーザーによるアプローチ
多くは婦人科で行われ、膣内の粘膜にレーザーを照射し、コラーゲン生成を促すことで膣のタイトニングや乾燥対策が期待されます。表面麻酔を行い、痛みやリスクを抑えて膣のケアができます。メリットとしては、膣に特化した、粘膜の血流促進・弾力改善として期待ができます。デメリットとしては、自由診療で費用が高額であり、筋肉トレーニングではないという点です。
フェムケアグッズによる自主トレーニング
膣内に挿入するボール、EMS、アプリ連動機器などを使用して、自主的に骨盤底筋を鍛えるグッズも市販されています。比較的安価で手軽に始められるメリットがあります。一方、正しい使い方が必要で、誤用による不快感や衛生面の課題はあります。婦人科や泌尿器科での指導が望ましいと思います。
メリット
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まとめ

骨盤底筋トレーニングは正しい方法で継続することで効果を発揮します。一方で、間違った方法や不衛生な管理はリスクを引き起こします。

また、以下のようなケースでは必ず専門家への相談が必要です。

  • 明らかな臓器脱
  • 頻繁な尿失禁
  • 骨盤や股関節に持病がある場合
  • 妊娠中や術後など、身体状況が変化している場合

骨盤底筋のトレーニングは、年齢やライフステージに応じて選択肢が異なります。どれか1つの方法にこだわらず、生活に合った無理のない手法で継続することが、心身の健康維持につながります。 「鍛える」ことは、自分自身の体と丁寧に向き合う行為でもあります。自分にとって心地よい方法を見つけて、健やかな毎日を目指しましょう。

解説

一般社団法人ペインケア 理事長 柿沼 勇太(かきぬま ゆうた)

麻酔科専門医、公衆衛生学修士。慶應義塾大学医学部を卒業後、大学病院や市立病院で15年以上にわたり麻酔科に従事し、疼痛緩和や気道管理を専門としてきた。痛みや睡眠障害、排泄の問題は生活の質(QOL)を大きく損なうことを実感し、日常の不調に対する予防的アプローチとセルフケアを推進している。