
鼻いびきなら大丈夫?喉いびきとの関係
2026年03月11日 04:59
鼻いびきなら大丈夫?喉いびきとの違いと睡眠時無呼吸症候群との関係
藤沢ソーマクリニック院長 柿沼勇太
いびきは多くの人が経験する睡眠中の現象ですが、「鼻いびきなら大丈夫」「喉いびきは危険」といった単純な分類で判断できるものではありません。いびきは空気の通り道である気道が狭くなり、呼吸の空気が通過するときに周囲の組織が振動することで起こります。その振動がどの場所で起きているかによって、鼻いびきと喉いびきに分けられます。そして、その違いは睡眠時無呼吸症候群との関係を理解する上で重要です。
いびきは、睡眠中に気道が部分的に狭くなることで発生します。空気が狭い通路を通るときに乱流が生じ、粘膜や軟部組織が振動して音が出ます。問題は、その狭くなる場所がどこかという点です。鼻の通りが悪くて起きるものを鼻いびき、喉の奥の気道が狭くなって起きるものを喉いびきと呼びます。
鼻いびきは、鼻腔や鼻の奥の空間が狭くなることで起こるいびきです。主な原因にはアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、鼻中隔弯曲症、風邪による鼻粘膜の腫れなどがあります。鼻づまりがあると空気の流れが乱れ、鼻腔内の粘膜が振動して音が出ます。音としては比較的軽く、「スー」「クー」といった高めの音になることが多いのが特徴です。
鼻いびき自体は重い病気とは限りませんが、注意が必要な場合もあります。鼻の通りが悪い状態が続くと、人は無意識に口呼吸になります。口呼吸になると空気が直接喉へ流れ込み、軟口蓋や舌の付け根が振動しやすくなります。つまり、鼻いびきが続くことで喉いびきに変化し、結果的に睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性があるのです。
一方、喉いびきは軟口蓋、口蓋垂(いわゆるのどちんこ)、舌の付け根など、咽頭の軟らかい組織が振動することで起こります。睡眠中は筋肉の緊張が緩むため、舌や軟口蓋が後方へ落ち込みやすくなり、気道が狭くなります。肥満、顎が小さい体型、加齢、アルコール摂取などは、この気道の狭窄をさらに強くする要因になります。
喉いびきの特徴は、音が大きく低いことです。「ガーガー」「ゴーゴー」といった低音のいびきで、仰向けで悪化することが多いのも特徴です。特にこのタイプのいびきは、睡眠時無呼吸症候群と関係している可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は単なる睡眠の問題ではなく、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることが知られています。そのため、いびきが気になる場合には、原因をきちんと評価することが大切です。
藤沢ソーマクリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の検査と診断を行い、患者さんの状態に合わせた治療を提案しています。CPAP治療だけでなく、いびきの原因が喉のゆるみにある場合には、レーザー治療「カスタムナイトレーズ」を行うことも可能です。
カスタムナイトレーズは、Er:YAGレーザーを用いて軟口蓋や咽頭の粘膜に照射し、組織を引き締めることで気道を広げる治療です。切開を伴わないため身体への負担が少なく、治療時間は約15〜20分と短時間で行うことができます。レーザーの熱作用によってコラーゲンの収縮と組織の再構築が起こり、気道の安定性が改善することでいびきの軽減が期待されます。
鼻の問題、そのほかの問題、併せて睡眠外来で相談を承っております。