
いびきレーザー治療の歴史。いつからある治療なの?
2026年03月26日 06:18
いびきレーザー治療の歴史
〜「切る治療」から「負担の少ない治療」へ進化してきた、いびき治療の流れ〜
「いびきにレーザー治療があると聞いたけれど、最近できた治療なの?」
このようなご質問をいただくことがあります。
実は、いびきに対するレーザー治療の考え方自体は、比較的前から存在しており、近年になって、より負担の少ない方法へ進化してきました。
今回は、いびきレーザー治療の歴史について、わかりやすく解説します。
いびき治療の始まりは「構造を変える」考え方から
いびきは、眠っている間にのどの奥の空気の通り道(上気道)が狭くなり、
そこを空気が通るときに軟口蓋(のどちんこの周囲)や咽頭のやわらかい組織が振動することで起こります。
そのため、昔から耳鼻科領域では、
「振動しやすい部分を小さくする・形を整える」
という考え方で治療が行われてきました。
代表的なのが、
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP) や
レーザー補助口蓋垂形成術(LAUP)
といった手術です。
1990年代には、レーザーを用いて軟口蓋や口蓋垂に処置を行う方法が広まり、
「メスだけではない、いびき治療」の時代が始まりました。
当時は主に、組織を切除・蒸散する発想が中心でした。
以前のレーザー治療は「効くが負担もある」時代だった
初期のいびきレーザー治療は、
現在のような「やさしい照射」ではなく、
比較的**侵襲的(身体への負担が大きい)**な方法が中心でした。
つまり、
のどに痛みが出る
飲み込みづらさが出る
ダウンタイムがある
術後の違和感が続くことがある
といった課題もありました。
そのため、
「いびきは気になるけれど、そこまで大がかりな治療は受けたくない」
という方にとっては、少しハードルが高い治療でもありました。
ここから、いびき治療は
“切る治療”から“負担を減らす治療”へ
と進化していきます。
現在の主流は「切らずに引き締める」レーザーへ
近年広がっているのが、
Er:YAGレーザーなどを用いた、切らないタイプのいびきレーザー治療です。
この治療は、のどの奥の粘膜や軟口蓋に対して、
熱エネルギーを穏やかに与えることで、組織の引き締めやハリの改善を促す
という考え方に基づいています。
従来のように大きく削るのではなく、
「振動しやすい組織を、たるみにくくする」
というアプローチに変わってきたのです。
この変化によって、
比較的短時間で受けやすい
麻酔を使わずに行えることがある
日常生活への影響が少ない
手術に抵抗がある方でも検討しやすい
という特徴が注目されるようになりました。
2020年のシステマティックレビューでは、Er:YAGレーザーが主観的ないびきの改善に有意な効果を示した一方、睡眠時無呼吸症候群の重症度そのものを大きく変えるとは限らないことも示されており、適応の見極めが重要とされています。
いびきレーザー治療は「誰にでも同じ」ではありません
ここで大切なのは、
いびきの原因は人によって違うということです。
いびきの原因には、
軟口蓋のたるみ
舌の落ち込み
鼻づまり
扁桃肥大
体重増加
飲酒
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
など、さまざまな要素があります。
そのため、
レーザー治療が向いている方もいれば、そうでない方もいます。
実際、近年の研究でも、
原発性いびきや軽症〜中等症の一部の方では改善が期待される一方で、重症の睡眠時無呼吸症候群ではCPAPなど他の治療が優先されることがあるとされています。
また、治療効果は永続的とは限らず、維持照射や生活習慣の見直しが必要になる場合もあります。
大切なのは「いびき」だけで終わらせないこと
いびきは、単なる音の問題ではなく、
ときに睡眠の質の低下や
睡眠時無呼吸症候群のサインであることもあります。
特に、
いびきが大きい
寝ても疲れが取れない
日中眠い
朝に頭痛がある
家族から「息が止まっている」と言われる
このような場合は、
まず睡眠の状態をきちんと評価することが大切です。
藤沢ソーマクリニックより
いびきレーザー治療は、
歴史の中で**「切る治療」から「より負担の少ない治療」へ**進化してきました。
一方で、いびきの背景には
睡眠時無呼吸症候群や鼻・のどの構造、生活習慣が関係していることも少なくありません。
藤沢ソーマクリニックでは、
いびきのお悩みに対して、
単に治療を行うだけでなく、その背景にある原因を一緒に確認することを大切にしています。