
仕事のパフォーマンス、プレゼンティーズムとは?睡眠時無呼吸症候群、不眠の影響
2026年03月28日 05:03
睡眠時無呼吸症候群・不眠とプレゼンティーズム
「出勤しているのに、本来の力が出せない」状態は睡眠の質が関係しているかもしれません
藤沢ソーマクリニック院長 柿沼勇太
「しっかり寝たはずなのに日中ぼんやりする」
「仕事中に集中できない」
「出勤はしているけれど、以前よりパフォーマンスが落ちている気がする」
このような状態は、単なる疲れではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)や不眠症などの睡眠の問題が背景にあることがあります。近年、このように会社や職場に来ているにもかかわらず、本来の能力を十分に発揮できない状態をプレゼンティーズムと呼び、健康経営や産業保健の分野でも注目されています。
プレゼンティーズムとは何か
プレゼンティーズムとは、病気や不調を抱えながら出勤し、見た目には働けていても、実際には作業効率や判断力、集中力が低下している状態を指します。
欠勤している状態は分かりやすいですが、プレゼンティーズムは本人も周囲も気づきにくいのが特徴です。
特に睡眠の問題は、「年齢のせい」「仕事が忙しいから仕方ない」「疲れているだけ」と見過ごされやすく、長期間放置されることがあります。
しかし、睡眠の質が低下すると、脳も身体も十分に回復できず、日中のパフォーマンスに大きく影響します。
睡眠時無呼吸症候群が仕事の質を下げる理由
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。
本人は眠っているつもりでも、実際には睡眠が細かく中断されており、脳がしっかり休めていない状態になります。
その結果として、以下のようなことが起こりやすくなります。
・朝起きても疲れが取れない
・日中に強い眠気が出る
・集中力や記憶力が低下する
・会議中やデスクワーク中にぼんやりする
・ミスやヒヤリハットが増える
・気分の落ち込みやイライラが強くなる
特に、運転業務、機械操作、医療、介護、教育、管理職など、判断力や注意力が求められる仕事では影響が大きくなります。
また、睡眠時無呼吸症候群は、単なる眠気の問題にとどまらず、高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などのリスクとも関係することが知られています。
つまり、「仕事の効率が落ちる」という問題の背景に、将来の健康リスクが隠れている可能性もあるのです。
不眠もプレゼンティーズムの大きな原因です
一方で、不眠症もプレゼンティーズムの代表的な原因です。
不眠といっても、単に「寝つけない」だけではありません。
・布団に入ってもなかなか眠れない
・途中で何度も目が覚める
・朝早く目が覚めてしまう
・寝たはずなのに熟睡感がない
このような状態が続くと、日中に疲労感、頭の重さ、集中力低下、意欲低下が出やすくなります。
さらに、不眠が長引くと、自律神経の乱れ、不安感、抑うつ傾向、慢性的な肩こりや頭痛、痛みの悪化にもつながることがあります。
つまり、不眠は「夜の問題」ではなく、日中の仕事・生活の質に直結する問題です。
「いびき」と「眠れない」は別のようでつながっている
睡眠時無呼吸症候群と不眠は、別々の病気のように見えて、実際には重なっていることも少なくありません。
例えば、
・いびきが大きい
・夜中に息苦しくて目が覚める
・何度もトイレに起きる
・寝ても疲れが取れない
・眠りが浅く、熟睡感がない
このような方は、不眠だと思っていたら、実は睡眠時無呼吸症候群が隠れていたということもあります。
逆に、ストレスや生活リズムの乱れ、不安による不眠が続き、睡眠の質が低下して日中のパフォーマンスが落ちるケースもあります。
大切なのは、「眠れない」「眠い」「疲れが取れない」をひとつの睡眠の質の問題として総合的に見ることです。
プレゼンティーズムを改善する第一歩は、睡眠を見直すこと
プレゼンティーズムを改善するには、気合いや根性ではなく、睡眠の質を客観的に評価することが重要です。
特に次のような方は、一度睡眠のチェックをおすすめします。
・家族にいびきを指摘される
・日中の眠気が強い
・起床時に頭痛がある
・朝からだるい
・集中力が続かない
・仕事の効率が落ちた
・寝つきが悪い、途中で目が覚める
・高血圧や肥満、生活習慣病がある
睡眠の問題は、本人が慣れてしまっていることも多く、「自分はこんなもの」と思い込んでいることがあります。
しかし、適切に評価し、原因に応じた対策を行うことで、日中のパフォーマンスが大きく改善することがあります。
藤沢ソーマクリニックでできること
藤沢ソーマクリニックでは、睡眠時無呼吸症候群やいびき、不眠に関するご相談を受けています。
睡眠の状態や日中症状を丁寧に確認し、必要に応じて睡眠時無呼吸症候群の検査をご案内します。
また、いびきや上気道の問題が関係している場合には、状態に応じた治療選択肢をご説明します。
さらに、不眠についても、生活習慣、ストレス、身体の不調、呼吸の問題などを含めて総合的に確認し、**「なぜ眠れないのか」「なぜ日中つらいのか」**を一緒に整理していきます。
仕事のパフォーマンス低下を「気のせい」や「年齢のせい」で片づけず、睡眠という土台から見直すことが大切です。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群や不眠症は、夜だけの問題ではありません。
日中の集中力、判断力、意欲、仕事の質に影響し、プレゼンティーズムの原因になることがあります。
「出勤はできているけれど、本来の力が出せない」
「最近、仕事の質が落ちた気がする」
「眠っているのに疲れが取れない」
その背景には、治療や対策が可能な睡眠の問題が隠れているかもしれません。
いびき、日中の眠気、不眠、熟睡感のなさが気になる方は、早めにご相談ください。
藤沢ソーマクリニックでは、睡眠と日中の不調を総合的に見ながら、あなたに合った改善方法を一緒に考えていきます。