院長ブログ

痛み止めはその場しのぎだから意味ない?という誤解

痛み止めはその場しのぎだから意味ない?という誤解

2026年06月05日 06:42

「痛み止めは応急処置だから意味がない?」その考え方、実はもったいないかもしれません

「痛み止めって、その場しのぎですよね?」

「飲んでいる間だけ効いて、根本的には治らないのでは?」

藤沢ソーマクリニックの外来でも、このようなご質問をいただくことがあります。

確かに、痛み止め(鎮痛薬)は骨折をくっつけたり、椎間板ヘルニアを消したり、変形した関節を元に戻したりする薬ではありません。

しかし、「根本治療ではない=意味がない」という考え方は、現在の痛み医療では正しくありません。

むしろ、適切なタイミングで痛みを抑えることは、回復を早め、慢性化を防ぐ重要な治療の一つなのです。

痛みは単なる症状ではない

多くの方は、痛みを「ケガや病気の結果として起こる症状」と考えています。

もちろんそれは間違いではありません。

しかし痛みが長期間続くと、身体や脳そのものが変化してしまうことが分かっています。

痛み

身体を動かさなくなる

筋力低下

血流悪化

さらに痛みが増える

不安や睡眠不足が増える

脳が痛みに敏感になる

このような「痛みの悪循環」が起こります。

すると、最初のケガや炎症が治っていても、痛みだけが残り続けることがあります。

これが慢性疼痛です。

痛み止めの本当の役割

痛み止めの役割は、単に痛みを消すことだけではありません。

痛みを抑えることで、

・身体を動かしやすくする

・リハビリを進めやすくする

・睡眠の質を改善する

・ストレスを減らす

・脳の過敏な痛み回路を落ち着かせる

という効果があります。

例えば腰痛で歩けない患者さんがいた場合、痛み止めを使って歩けるようになることで筋力低下を防ぎ、回復を促進できます。

これは決して「ごまかし」ではありません。

回復するための環境を整える治療なのです。

高血圧の薬と同じ考え方

分かりやすく例えると、高血圧の薬も血圧の原因そのものを消しているわけではありません。

しかし血圧を適切に管理することで、

・脳卒中

・心筋梗塞

・腎機能障害

などを予防できます。

痛みの治療も同じです。

適切に痛みをコントロールすることで、

・活動量低下

・うつ状態

・不眠

・筋力低下

・慢性疼痛への移行

を防ぐことができます。

「我慢する方がよい」は昔の考え方

以前は、

「痛み止めに頼るのはよくない」

「我慢した方が治る」

という考え方がありました。

しかし現在では、強い痛みを長期間放置することが慢性疼痛のリスクになることが知られています。

特に、

・帯状疱疹後神経痛

・腰椎椎間板ヘルニア

・脊柱管狭窄症

・五十肩

・術後疼痛

などでは、早期から適切な痛みのコントロールを行うことが重要です。

痛み止めにも種類がある

「痛み止め」と一言でいっても様々です。

炎症を抑える薬

ロキソニン、セレコックスなど

神経の痛みに使う薬

プレガバリン、ミロガバリンなど

脳の痛み回路に作用する薬

デュロキセチンなど

オピオイド系鎮痛薬

トラマドールなど

痛みの原因によって適切な薬は異なります。

効かないからといって痛み止め全体が無意味なのではなく、原因に合った治療を選ぶことが大切です。

ペインクリニックだからできること

藤沢ソーマクリニックでは、単に薬を処方するだけではありません。

痛みの原因やメカニズムを評価し、

・薬物療法

・神経ブロック注射

・超音波ガイド下治療

・運動療法指導

・睡眠改善指導

などを組み合わせて治療を行っています。

特に慢性痛では、睡眠不足やストレスが痛みを増強させることも多く、身体全体を診る視点が重要です。

まとめ

「痛み止めは効いている間だけだから意味がない」

そう思われる方は少なくありません。

しかし実際には、痛みを適切に抑えること自体が治療の一部です。

痛みを我慢し続けることで、脳や神経が痛みを覚え、慢性化してしまうこともあります。

腰痛、肩こり、神経痛、帯状疱疹後神経痛、膝痛などでお悩みの方は、一人で我慢せずご相談ください。

藤沢ソーマクリニックでは、痛みの悪循環を断ち切り、日常生活を取り戻すためのお手伝いをしています。


藤沢ソーマクリニック
ペインクリニック・内科・睡眠外来

藤沢駅南口徒歩2分

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