院長ブログ

ブロック注射が効かない!どうしたら?次の選択肢は?

ブロック注射が効かない!どうしたら?次の選択肢は?

2026年09月20日 06:21

「この痛みから解放されるなら」と、藁にもすがる思いで受けたブロック注射。それなのに痛みが変わらない、数日で戻ってしまった――。

そんなとき、「もう治らないの?」と不安になるかもしれません。

でも、ブロック注射が効かなかった=もう治療法がない、という意味ではありません。

むしろ大切なのは、「なぜ効かなかったのか」をもう一度考えることです。

そもそも神経ブロックとは?

神経ブロックとは、痛みに関係する神経やその周囲に局所麻酔薬などを用いて、痛みの伝達を一時的に遮断する治療です。

局所麻酔薬そのものの作用時間が過ぎても、痛みによって起こっていた筋肉の緊張など「痛みの悪循環」が弱まり、鎮痛効果が続くことがあります。

ただし、すべての痛みに同じように効く治療ではありません。

ブロック注射が効かないのはなぜ?

① 痛みの発生源とブロックする場所が一致していない

「腰が痛い」といっても、原因は一つではありません。

神経根、椎間板、椎間関節、仙腸関節、筋肉・筋膜など、さまざまな場所が痛みに関係します。

例えば変形性腰椎症でも、単純に「骨と骨がぶつかって痛い」とは限りません。関節や椎間板の変化、周囲の筋肉、神経への刺激などが複雑に関係します。

そのため、一つの神経をブロックしても痛みが十分改善しないことがあります。

② 一つではなく、複数の痛みが重なっている

長期間続いている腰痛では、

「神経の痛み+筋肉の痛み」

「関節の痛み+筋肉の痛み」

など、複数の原因が重なっていることがあります。

一つの痛みにはブロックが効いていても、別の痛みが残っているため、「全然効かなかった」と感じるケースも考えられます。

③ 筋肉・筋膜の痛みが強い

腰や肩の筋肉が緊張し続けることで生じる筋筋膜性疼痛では、神経ブロックだけでは十分改善しないことがあります。

診察で筋肉の圧痛や動作との関係を確認し、必要に応じて運動療法やストレッチ、薬物療法、トリガーポイント注射など別の方法を検討します。

④ 痛みそのものが慢性化している

長期間痛みが続くと、神経系が痛みに敏感になり、組織の状態だけでは説明しにくい痛みが続くことがあります。

これを単純に「脳が痛みを記憶している」「脳が錯覚している」と考えるのは正確ではありません。

現在は、神経系における痛みの処理が変化した痛覚変調性疼痛という考え方もあります。

このような痛みでは、一か所への注射だけではなく、薬物療法、運動、睡眠や日常生活への対応などを組み合わせていくことが重要です。

「3日しか効かなかった」は失敗?

必ずしもそうではありません。

ブロックの効果は、病気の種類、ブロックの方法、痛みの原因などによって異なります。

「注射直後はかなり楽だったけれど数日後に戻った」という情報も、どの神経や組織が痛みに関係しているかを考える材料になることがあります。

反対に、まったく変化がなければ、痛みの発生源や治療方針を再評価するきっかけになります。

大切なのは、効かなかったから同じ注射を漫然と繰り返すのではなく、反応を次の診断・治療につなげることです。

次の選択肢は「もっと強い注射」とは限りません

ブロックが効かなかったときに必要なのは、必ずしも「もっと強い注射」ではありません。

診察や必要に応じた画像検査などで痛みの原因を再評価したうえで、

・薬物療法
・運動療法、リハビリテーション
・トリガーポイント注射
・適応があれば別の神経ブロック
・生活動作や睡眠などの見直し
・専門医療機関への紹介や手術適応の検討

などを組み合わせます。

慢性の痛みでは、「痛みをゼロにする」ことだけでなく、眠れる、歩ける、仕事ができるなど、生活機能を取り戻すことも重要な治療目標になります。

こんな症状は早めに医療機関へ

腰痛に加えて、急に足の力が入りにくくなった、排尿・排便がうまくできない、会陰部の感覚がおかしい、発熱を伴う、重大な外傷後に強い痛みがある、といった場合には、早めの医療評価が必要です。

「いつもの腰痛」と自己判断しないでください。

ブロックが効かなかったからこそ、もう一度「痛みの原因」を考える

痛みに耐えながら受けた注射が効かなければ、がっかりするのは当然です。

しかし、一度のブロックで十分な効果が得られなかったことだけで、その後の治療可能性がなくなったとは判断できません。

藤沢ソーマクリニックでは、藤沢・湘南地域のペインクリニックとして、腰痛、肩や首の痛み、神経痛などについて、症状やこれまでの治療経過を確認しながら治療方針を検討しています。

「他院でブロックを受けたけれど改善しなかった」
「また注射をするべきなのかわからない」
「手術以外の方法があるのか相談したい」

そんな場合も、これまで受けた治療内容や画像検査の結果があればお持ちください。

次の注射を決める前に、まず“なぜ痛みが続いているのか”を一緒に整理する。

そこから次の治療を考えていきましょう。