
痛みの原因は?そのメカニズム
2026年03月16日 07:01
痛みの原因とは?医学的にわかりやすく解説
藤沢ソーマクリニック院長柿沼勇太
痛みがどのような原因で起こるのか、その医学的な仕組みについて解説します。
痛みはどのように発生するのか
痛みは「侵害受容(nociception)」と呼ばれる生体反応によって生じます。皮膚、筋肉、関節、骨、内臓などの組織が損傷したり炎症を起こしたりすると、体内ではさまざまな化学物質が放出されます。代表的なものとして、ブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミン、サイトカインなどがあります。
これらの物質は、組織に存在する「侵害受容器(痛み受容体)」を刺激します。侵害受容器は、身体にとって有害な刺激を感知するセンサーのような役割を持っています。この刺激は末梢神経を通って脊髄へ伝わり、さらに脳へと送られます。最終的に脳がその信号を処理することで、私たちは「痛い」という感覚を認識します。
つまり痛みは、以下のような流れで生じます。
1. 組織の損傷や炎症が起こる
2. 炎症性物質が放出される
3. 痛み受容体が刺激される
4. 神経を通って脊髄・脳へ信号が伝わる
5. 脳が痛みとして認識する
このように、痛みは身体を守るための重要な防御反応といえます。もし痛みを感じる仕組みがなければ、私たちは怪我や病気に気づくことができず、身体に大きなダメージを受けてしまう可能性があります。
痛みの主な原因
医学的にみると、痛みの原因は大きくいくつかのタイプに分類されます。
1 組織の炎症や損傷
最も一般的な痛みの原因です。怪我や炎症によって組織がダメージを受けると、炎症反応が起こり痛みが発生します。
例えば次のようなものがあります。
・打撲や捻挫などの外傷
・筋肉の炎症
・関節炎
・手術後の痛み
・筋肉疲労による痛み
炎症によってプロスタグランジンなどの物質が増えることで、神経が刺激され痛みが生じます。多くの腰痛や肩こり、関節痛などはこのタイプに含まれます。
2 神経の障害
神経そのものが障害されると、神経の伝達異常によって痛みが生じます。これを「神経障害性疼痛」と呼びます。
代表的なものとして
・帯状疱疹後神経痛
・坐骨神経痛
・糖尿病性神経障害
・手術後神経痛
などがあります。
このタイプの痛みは、炎症による痛みとは異なり、「電気が走るような痛み」「ビリビリする痛み」「しびれを伴う痛み」と表現されることが多く、慢性化しやすい特徴があります。
3 中枢神経の異常
脳や脊髄など中枢神経の異常によって痛みが生じることもあります。これを「中枢性疼痛」と呼びます。
例えば
・脳卒中後疼痛
・脊髄損傷後疼痛
・慢性疼痛症候群
などが知られています。神経の信号処理に異常が起こることで、実際には組織の損傷がなくても痛みを感じることがあります。
4 心理的・社会的要因
痛みは身体の問題だけでなく、心理的な要因の影響を受けることもあります。ストレス、不安、睡眠不足、抑うつ状態などは痛みの感じ方を強めることが知られています。
藤沢ソーマクリニックの痛み診療
藤沢ソーマクリニックでは、麻酔科専門医によるペインクリニック診療を行っています。腰痛、肩こり、神経痛、頭痛などのさまざまな痛みに対して、原因を丁寧に評価し、患者さま一人ひとりの症状に合わせた治療を行っています。